帝王と私
「私だけ、貴将さんを自由に?」
「うん…それが俺の心を奪った、弥生の特権。
でもその代わり……
辛い、苦しい思いをさせるかもしれない……。
それでも、もう弥生を放せない…。
ごめんね…?」
「ううん。私が放れたくないから…」
「そっか…じゃあ絶対に放さないよ…?どんなに辛くても……」
それから部屋に戻り、また愛し合って帰る時間に━━━━
「寂しいね……」
つい、声が小さくなる。
「うん……弥生がよければ、ここに一緒に住む?」
彼が私の頭を撫でながら、聞いてきた。
「いいの?」
バッと顔を上げ、彼を見つめた。
彼はフワッと微笑み、
「もちろん!ただ、俺は毎日帰ってくるとは限らないから、寂しい思いをさせるけど……」
と今度は頬を撫でてきた。
一人で、こんな広い部屋で過ごすことがあるってことだよね……
「いや、やっぱ住むのはやめようかな…?」
「そう…」
「あ、違うの!一緒に住めるの、これ程ない幸せなことだよ!
でもこの部屋に一人は辛い……」
「そっか…。
でもいつでもここに来ていいからね…?鍵渡したよね…?」
「うん…」
ホテルの外に出ると、
「社長!」
「何だ?」
途端に今までの、穏やかな表情から一転して鋭くなった彼。
これが、帝王。
部下の方が、彼に耳打ちしている。
「そう…懲りねぇ奴等……」
更に、表情が固く恐ろしくなる彼。
繋いでいる手からも、その恐ろしさを感じるくらいだ。
どっちが本当の彼なのだろう。
「うん…それが俺の心を奪った、弥生の特権。
でもその代わり……
辛い、苦しい思いをさせるかもしれない……。
それでも、もう弥生を放せない…。
ごめんね…?」
「ううん。私が放れたくないから…」
「そっか…じゃあ絶対に放さないよ…?どんなに辛くても……」
それから部屋に戻り、また愛し合って帰る時間に━━━━
「寂しいね……」
つい、声が小さくなる。
「うん……弥生がよければ、ここに一緒に住む?」
彼が私の頭を撫でながら、聞いてきた。
「いいの?」
バッと顔を上げ、彼を見つめた。
彼はフワッと微笑み、
「もちろん!ただ、俺は毎日帰ってくるとは限らないから、寂しい思いをさせるけど……」
と今度は頬を撫でてきた。
一人で、こんな広い部屋で過ごすことがあるってことだよね……
「いや、やっぱ住むのはやめようかな…?」
「そう…」
「あ、違うの!一緒に住めるの、これ程ない幸せなことだよ!
でもこの部屋に一人は辛い……」
「そっか…。
でもいつでもここに来ていいからね…?鍵渡したよね…?」
「うん…」
ホテルの外に出ると、
「社長!」
「何だ?」
途端に今までの、穏やかな表情から一転して鋭くなった彼。
これが、帝王。
部下の方が、彼に耳打ちしている。
「そう…懲りねぇ奴等……」
更に、表情が固く恐ろしくなる彼。
繋いでいる手からも、その恐ろしさを感じるくらいだ。
どっちが本当の彼なのだろう。