帝王と私

｢なーに、見てるの？｣
仕事休憩中、栞奈に話しかけられた。
私はキスマークを撫でながら、見つめていた。

｢ちょっとね……｣
｢内出血？｣
｢うん…でも幸せなの…｣
｢？？｣
｢栞奈｣
｢うん？｣
｢人を好きになるって、幸せだけど苦しいね…｣
｢………そうね。ねぇ、弥生｣
｢ん？｣
｢今日夜、一緒にご飯食べない？｣
｢うん！｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
｢帝王との誕生日どうだった？｣
｢うん…とっても幸せだったよ？でもその分寂しい……｣
｢そうね…愛されてると、とても幸せだけど、その反動があるわよね…｣
｢栞奈も？｣
｢うん……まぁね…！
あ、そうだ！これ、誕生日プレゼント！｣
｢え？ありがとう！嬉しい！開けていい？｣
｢フフ…どうぞ？｣
ゆっくり丁寧に開けた。

｢栞奈？これ……｣
｢フフ…可愛いでしょ？｣
｢可愛いけど……｣
｢これ、今度の帝王とのデートの時、着て？｣
｢でも……｣
｢えー、着てくんないのぉ？｣
｢あ、いや、嬉しいよ！でも…恥ずかしい｣
｢いいから！約束！｣
｢うん…ありがとう！｣

そして栞奈と駅に向かっていると、
｢ねぇ、お姉さん達！可愛いね～｣
｢え？｣
何？怖い……

｢何？私達、急いでるから！弥生行くよ！｣
｢う、うん｣
｢え～いいじゃん！お茶しようよぉ｣
｢ついて来ないで！｣
｢いいじゃん！｣
栞奈と二人少し早足で、駅に向かう。
え━━━！？
｢捕まえたっ！｣