帝王と私
「すみません!すぐ家まで送るので、このことはあの方には言わないで下さい!」
「え?おっしゃってる意味が……」
「なんなの?弥生?」
「全然わかんない…」
「あの方って、誰ですか?」
「わからないんですか?そのネックレスの意味」
私の首についている、貴将さんがくれた黒いネックレスを指差された。

「え?これは恋人にもらった、大切なネックレスです」
「あー、帝王がくれたってやつ?」
「うん!守り神だって!」
「へぇー、で?これが何?」
栞奈が、その男に聞いた。

「そのネックレスをつけた女に手を出したら、俺に殺されるって意味があるんだよ?」

「え?」
声のした方を見ると、
「弥生」
「貴将さん…?」
「びっくりだな、こんなとこで愛しい弥生に会えるなんて………」
ゆっくりこちらに来て、私を抱き締めた。
「貴将さん!」
貴将さんの匂いだぁ~。安心する。
私もしがみついた。

「もう大丈夫だからね…。
弥生、友達と一緒に外出てて?二人とも送るから、車に乗ってて!」
「うん…」
「弥生様、こちらへ」
運転手さんに連れられ、栞奈と二人車に乗り込んだ。

弥生が車に乗り込んだ後、
「さぁ、どうされたい?
どんな殺し方がお望み?」
「え?申し訳ありません!知らなかったんです。帝王様の女だって!」
「お前、弥生の髪……触ってたね…?」
「え……」
「とりあえず、その手……いらないね…!」
そう言うと、貴将はその手を掴み一捻りしてバキッと折ったのだ。
「ギャァァァーーー!いってぇぇーー!!」
その姿に回りの人間全てに、緊張がはしる。

「みんな……今から行方不明だな……!」
その言葉を最後に、男達全員殺され始末された。
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