帝王と私
ゆっくりベットに近づく。
弥生は貴将のシャツを着ている。
「こんな格好……反則だろ…!」
今すぐ起こして、抱きたい!
でもせっかく寝ているのに、起こすのはかわいそうだ。
貴将は頭を振り、邪な考えを払拭して、弥生の首に腕を滑り込ませて、横になった。
弥生を優しく抱き締める。
「ごめんね…電話でれなくて……。
おやすみ、弥生」
額にキスをした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「んん……」
「やっと起きた…」
「え…貴将さん?」
「うん、おはよ」
「おはよう。
……って、あっ!寝ちゃったんだ!」
「そうみたいだね?ごめんね、電話でれなくて…後々かけたんだけど、寝てたみたいだな……」
「あ、ごめんなさい……ちょっと会社でトラブっちゃって、貴将さんの声聞きたくて、電話したの。
で、繋がらないからここに………」
「そっか!いつでもおいで?帰ってきて弥生がいるのは、凄く嬉しいから!」

彼に額をチュッとキスされて、
「それよりも…その、とても魅力的な格好は何?」
「え…?
あ!いや、あの━━━
違うの!たまたまソファーにこのカッターシャツが掛かってて、貴将さんの匂いがして、寂しくて、これ着たら、貴将さんに抱き締められてる感じするから………
どうせ着るなら、服いらないなぁって……。
ごめんね…勝手に着たりして……」
ガバッと起きて、しどろもどろになりながら、必死に説明した。
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