帝王と私
「社長、着きました」
「んー、着いちゃったね…また連絡するね、弥生」
「はぁはぁ…。
うん…あの、貴将さん」
「ん?何?」
「もう一回、手首にキスマークつけて?」
「え?」
「薄くなってきたから…」
「…………。
ほんと…弥生って………」
「え?」
「そんなに、俺の心奪ってどうすんの?」
「いや、そんなつもりは…////」
「手ぇ、貸して?」
「うん…。
ンン…っつ!」
綺麗な赤いキスマークがついた。
「……じゃあ、俺も!」
「うん…。
ンン……」
「フフ…今回は一発でついたね…?上手くなったね!」
彼が頭を撫でながら、言う。
「うん、よかった…」
「じゃあ、ほんとに行かなきゃだね…?」
「うん、じゃあ……」
小さくキスをして、車を降りた。
弥生が、降りた後の車内。
「ほんと…参ったな……」
自分の髪の毛をクシャッと掴む、貴将。
「社長?」
「この俺をこんなに…夢中にさせるなんて……」
弥生と出逢ってから、貴将は調子が狂ってばかりだった。
「いつかは手放さなきゃダメなのにな……」
そう…貴将と弥生は住む世界が違うのだ。
貴将は、弥生を闇に落とすつもりはない。
貴将のいる世界は、残酷だから。
弥生がつけたキスマークを見つめる。
「頼むから、これ以上……俺の心を持っていかないでくれ……!!
弥生」
弥生には、一生放さないと伝えているが、いつかは弥生の前から消えることを考えている。
でも………
そんなこと、可能なのか…?
俺の方が、放れられないのに。
貴将は言い様のない、葛藤と戦っていた。
「んー、着いちゃったね…また連絡するね、弥生」
「はぁはぁ…。
うん…あの、貴将さん」
「ん?何?」
「もう一回、手首にキスマークつけて?」
「え?」
「薄くなってきたから…」
「…………。
ほんと…弥生って………」
「え?」
「そんなに、俺の心奪ってどうすんの?」
「いや、そんなつもりは…////」
「手ぇ、貸して?」
「うん…。
ンン…っつ!」
綺麗な赤いキスマークがついた。
「……じゃあ、俺も!」
「うん…。
ンン……」
「フフ…今回は一発でついたね…?上手くなったね!」
彼が頭を撫でながら、言う。
「うん、よかった…」
「じゃあ、ほんとに行かなきゃだね…?」
「うん、じゃあ……」
小さくキスをして、車を降りた。
弥生が、降りた後の車内。
「ほんと…参ったな……」
自分の髪の毛をクシャッと掴む、貴将。
「社長?」
「この俺をこんなに…夢中にさせるなんて……」
弥生と出逢ってから、貴将は調子が狂ってばかりだった。
「いつかは手放さなきゃダメなのにな……」
そう…貴将と弥生は住む世界が違うのだ。
貴将は、弥生を闇に落とすつもりはない。
貴将のいる世界は、残酷だから。
弥生がつけたキスマークを見つめる。
「頼むから、これ以上……俺の心を持っていかないでくれ……!!
弥生」
弥生には、一生放さないと伝えているが、いつかは弥生の前から消えることを考えている。
でも………
そんなこと、可能なのか…?
俺の方が、放れられないのに。
貴将は言い様のない、葛藤と戦っていた。