帝王と私
「フフ…弥生、なにやってんの(笑)?」
ベットに座った彼が、顔だけ出してる私を見て、笑いながら言った。
「貴将さん…」
「ん?」
「引かないでね…?」
「んん?何が?」
「引かないでね!」
「うん…?
早くおいで?早く弥生を抱きたい!」
両手を広げて待っている。

私は目を瞑って、彼の前に出た。
「………弥、生?」
どうしよう……目、開けれない。
「弥生…俺を、見て?」
おそるおそる、目を開けた。
いつの間にか、彼が目の前に立っていた。

彼を見上げると、顔がほんのり赤かった。
「え?貴、将さん?」
「綺麗だよ……どうしようもない位に…」
「そう…?よかったぁ…これ、栞奈が誕生日にプレゼントしてくれたの」
「ベット…行こう……」
そう言って彼に手をひかれた。
そしてベット脇に座った彼に、
「もっとよく見たい……」
と言われ、彼の前に立たされた。

「………」
ただひたすら、見つめられる。
「恥ずかしいよぉ」
「うん…そうだよね……でも、弥生が悪いんだよ……
頼むから、これ以上俺の心持ってかないでよ……。
日に日にどんどん…決意が鈍る……」
「え…?決意って…?」
彼が頭を振り、
「ううん、こっちの話。それよりも抱かせて!もう…無理!頭が沸騰しそう……好きすぎて」
「うん……」
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