帝王と私
次の日の仕事終わり、栞奈と外に出ると━━━━
「ねぇ、あれ!
帝王じゃない?」
「え?
あ、ほんとだ////」

怖いけど、やっぱカッコいい━━━━
彼は私達に気づくと、こちらにゆっくり向かって来た。
「え?弥生、帝王こっち来てない?」
「だよね?なんで?」

「弥生」
「ふぇ?」
あまりの驚きに、変な声が出た。
「フフ…可愛い…!」
「あの…どうして、私の名前……」
「君が教えてくれたでしょ?昨日。
一輝 弥生ですって」
「え?え?」
「悪いけど、弥生を連れ去りたいから、今日はここでいい?」
と栞奈に言う、彼。
「はい、もちろん!」
「え?栞奈?」
「行こうか。弥生」
手を掴まれ、引き寄せられた。
「今日は今から、俺に付き合って!」
と耳元で言われ、そのまま手を引かれ、車へ連れて行かれた。

運転手さんが、ドアを開ける。
「どうぞ」
「え?あの…」
「弥生。乗って?」
「どこに行くんですか?」
「大丈夫。傷つけるようなこと、絶対しないから…」
そう言われ、車に乗り込んだ。
彼も横に座り、また手を握られた。
そのまま手を口元へ持っていくと、キスされた。

「////」
「あ、また顔赤くなった。ほんと可愛いね~」
そして、ゆっくり車が動き出した。
「あの…どこに行くんですか?」
「うーん。俺の家ってゆうか、部屋?」
なぜ、疑問形?
「とにかく、行けばわかるよ!」
「はい」
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