帝王と私
ホテルの部屋で、彼に抱かれる。
「んぁ……あ……あぁぁ…き、しょ…さ…だめぇ…」
「ダメだよ…?消毒しないとね…」
何度も、何度も意識を飛ばしながら、彼の激情を受け止めた。


「弥生……」
「ん……」
「可愛い……」
「貴将さん、私のこと好き?」
「もちろん!聞くまでもないでしょ?」
「でも私、太ったでしょ?」
「は?」
「さっきの彼、元彼で……。
彼に嫌われないように必死で、ガリガリになるように体重キープしてたの」
「ふーん。そうゆうことか……。
俺としては今の方が、抱き心地がよくて好き!でも、どんな弥生でも好き」
「ありがと……」

「弥生?泣かないで…?」
「ごめん……嬉しくて…」

彼に出逢うまで、こんなこと言われたことなかった。


「貴将さん」
「ん?」
「私、もっと強くなる!」
「ん?」
「貴将さんみたいに、貴将さんのいる闇の世界でしっかり生きていけるように……」
「フフ…うん!
でも、大丈夫。手を汚すのは俺。
弥生はただ傍にいて、一生俺のモノでいてくれればいい……」
「うん……」


私達は、お互いの手首を合わせる。

お互いがお互いのモノ。

もう一生放れられない。

お互いの印。



このキスマーク、傷をもって闇の世界で生きていくんだ。





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