幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
「っ雫……!!」
「え、結弦…!?」
そこには、私を見つけて顔を輝かせながら走る結弦がいた。
家に行っても、開けてもらえないかもと思っていたのに…。
まさか結弦から私を探してくれていたなんて、思いもしなかった。
……ふっ、結弦まで走ってるし。
幼なじみというのは、やっぱりどこか似てるところがあるみたいで。
「な…なんで走ったの」
「え?それは……あれ、なんでだろ?」
「………」
もう、ほんとにやだ。
さっきまでの私と一緒じゃない。
意味もなく走って、意味もなくすれ違って…。
私たちは一体、どれだけ遠回りしてきたんだろう。