幼なじみの溺愛が、私を離してくれません

「……はぁ。ごめん千夏、ちょっと出てくる」



「ふふっ、全然いいよー。行ってらっしゃい」



笑顔で送り出してくれる千夏に感謝しながら部屋を出ると、ムワッとした空気に包まれた。



うわ…ほんとに暑い。



玄関に出るのも億劫だけど、こればっかりは仕方がない。



「もう、来るなら早めに言って……って…」



ぶつぶつ文句を言いながら玄関を開けると、そこにはビニール袋いっぱいに入ったアイスを持つ結弦と。



「霧山さん、こんにちは。今日めっちゃ暑いね」



すました顔で同じくビニール袋を両手に持つ影野くんがいた。



「雫、アイス食べよ!」



食べよ!って言われても…。
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