幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
悪いこと……って、もしかしてキスしたこと?
わざわざ口には出さないけど、そういうことなのだろう。
少しバツの悪い顔をしている。
「もう邪魔しようなんて思わないよ。ちゃんと見守るから」
「…それはどうも」
「ははっ、何その返事」
だって、そんなこと言われたってなんて言えばいいのか分からないし。
笑う影野くんにどう対応すればいいのか迷っていると、「雫ー!」とまたもや私を呼ぶ声がリビングから聞こえた。
「改めてお邪魔するね。部屋に行けばいい?」
霧山くんは階段を指さしてそう言い、私も頷く。
「あ、うん。階段上がってすぐのとこ」
「ん、了解」