幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
「…っ!!」



久しぶりに結弦に触れた瞬間、心臓がドクンと大きく跳ね上がる。



今以上に手汗がぶわっと出てきた気がして、余計に恥ずかしくなってきた。



な、なにこれ…今までだって、こんなこといっぱいあったのに…なんでこんなに緊張するの?



スキンシップならハグもキスもしてきたはずなのに、今日は一段とドキドキする。



普段ならドキドキしてても「迷子になるのは結弦でしょ」って返せるのに、高鳴る鼓動が抑えられない。



「…雫、ちょっとこっち来て」



「えっ…う、うん」



結弦に言われるがまま着いていくと、抜け道を通って階段を上がった先には煌めく星々がよく見える展望台にたどり着いた。



「すごい……こんなところがあったなんて、知らなかった」



「…喜んでくれた?」



結弦が不安そうにこちらを見てきて、ハッとする。
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