幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
「…ねぇ、雫」
普通だったら聞こえないはずの声も、結弦の声なら不思議と視線に耳に入ってくる。
花火から目を逸らし、結弦だけを真っ直ぐに見つめた。
「…大好きだよ、雫。これからも、一生雫の隣にいさせて欲しい」
優しい声色で言葉を紡ぎ、柔らかく微笑む結弦。
そんな結弦の何もかもが、こんなにも愛おしい。
「っ…うん。私も、だいすき…っ…」
我慢していた涙が零れ、頬を伝って落ちていく。
結弦のことが好きで好きで、この世界中の誰よりも愛おしくて。
今こうして想いが通じ合っていることが、嬉しくてたまらない。
「雫が嫌だって言っても絶対に離してあげないから…覚悟、しといてね?」
「っ、もう…ばか」
恥ずかしくって、こういう時にもつい「ばか」とか言っちゃうけど。
なかなか素直になれなくて、すぐ真っ赤になっちゃうこんな私だけど。
これからもずっと、私を離さないでいてね。
私も結弦の隣で、一生愛し続けるよ。