幼なじみの溺愛が、私を離してくれません

ほんとに、やめてよ…。


こっちは痛いくらいに心臓がバクバクして、今にも破裂しそうなのに。


私の肩に頬をすりすりとさせるこの時間が、1日で1番苦痛な時間。


「っ、ゆずくんっ…!」


はっ、と気づいた時にはもう遅い。


「やっぱり、ゆずくん呼びに戻ってよ。僕、雫にゆずくんって言われるの、すごい好き」


このやり取りも、何回したかな。


「…だから、もう無理なんだって。いいから、早くどいて」


「雫のけちんぼ」


拗ねた顔も、やっぱり可愛いのは反則。


「じゃあ、リビング行って待ってるよ?」
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