幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
「ふっ、それもそうだね」
千夏が言うように、いつも私を振り回すのは結弦で。
今日はそれがないと思いきや、結局影野くんに驚かされてばかりだ。
「だかさら、そこまで深く悩むこともないと思うんだ。もちろん影野くんのことを考えるのは、雫ちゃんの使命でもあるけど…。影野くんは、ただ雫ちゃんが好きなだけで困らせたいわけじゃないと思うから」
「…うん、ありがとう。千夏」
ここまで人のことを…友達のことを大事に思ってくれて、一緒に悩んで話してくれる人はどれくらいいるのだろう。