靴下の中に君
そっと、ドアのめがねで覗いてみた。
…みのるの姿はない。
もう…
帰ったかな!
「あー…。よかったよかった!」
そうよ…
これでよかったのよ。
本当に…
あんな、人間の男がプレゼントだなんてありえないんだから!
そうよ…
きっとただの変質者だったのよ!
私はほっと一息ついた。
「……ははは。静かだー」
そういやあいつ…
まだ髪の毛乾いてなかったな…
歩いて帰ったのかな…
風邪…ひかないかな…
気がつくと、私は無駄な心配をしていた。
「…あああ!関係ないっ!!」
でも…
「……………」
やっぱり気になって、私は外に飛び出した。
「どこ行くのっ?」
後ろから声がした。
振り向くと…みのるが玄関の外にしゃがみこんでいた。
まだいたのかよ!
「…ちょ、ちょっとさんぽ…」
「僕も一緒に行くよ!」