靴下の中に君
「お客さん、4000円です!」
「うっさいなぁ、わかってるよ!」
パニクって、つい店員さんに怒鳴ってしまった。
悪いのはこっちなのに…。
「…はい。4000円……」
「ありがとうございましたー」
思わぬ出費で生気が吸い取られたようだ…
「ん!これめちゃくちゃおいしい!!」
みのるはもうすでに食べていた。
頭にきて私は半ベソ状態で大声をあげた。
「おいしいに決まってるじゃない!1つ2000円もするんだよ!私ずっとずっと我慢してたんだよっっ!!!」
ーークスクスクス…
周りから囁くような笑い声が聞こえてきた。
…もう、本当に泣きたい!!
「ともちゃん、食べなよ」
「食べるよ!絶対に食べるんだからっ!」
私は、憧れのビッグサイズのスペシャルクレープを、怒りながらかぶりついた。
「…………」
「ともちゃん?」
「ううっ……」