靴下の中に君

なんだか…



感動と悔しさと妙な達成感と…



ヘンな気分だった。






「おいしいね、ともちゃん!」



この男は…



「…高いんだから、よく味わって食べなさいよ!」


「はーい」



何も考えてないな。





…ま、いっか。




みのるがこんなことでもしなきゃ、私いつまでたっても我慢し続けたかもしれない。





やっぱりこれ…



本当においしい!!








「はぁ…でもなぁ。財布が心細くなった」


「わっ、ともちゃん貧乏?」



みのるが財布を覗き込んだ。



「誰のせいよ!…ちょっとATM行ってくるからここで待ってて」


「はーい」




…返事だけはいいんだから。










「くつしたの中のプレゼントは私がもらったはずなのになんで私がお金出さなきゃいけないのぉ?…ったく」



私はひとりでぼやいていた。



それを見て、後ろに並んでいたカップルが嘲笑っている。



通りすぎざまに…





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