靴下の中に君

「あの人、あんたの知り合いなの?」


「えっ…」


「何考えてんの、あの人?」


「あたまおかしいんじゃない?」


「え?ええ?」




ーープップー


ーーブー




「ともちゃあ~ん!!」


「ほら呼んでるじゃない!」


「あんた、連れならなんとかしろよ!」




ーープップー


ーープー……







車のクラクションに…



通りすがりの人たちの責めに…



横断歩道の真ん中で私を呼ぶみのるの声に…





私は…





どうすることもできなかった。




…どうしろと言うのよ?










歩道の信号が青になると、すぐさま私はみのるの所へ駆け寄り、



「ともちゃんっ!」



みのるの手をひき、その場から逃げた。



無我夢中で走った。




もう…




なんてクリスマスなの!?





本当に、泣きたい…





「う……」


「うわーーん!」


「…!?」





< 20 / 42 >

この作品をシェア

pagetop