靴下の中に君
「あの人、あんたの知り合いなの?」
「えっ…」
「何考えてんの、あの人?」
「あたまおかしいんじゃない?」
「え?ええ?」
ーープップー
ーーブー
「ともちゃあ~ん!!」
「ほら呼んでるじゃない!」
「あんた、連れならなんとかしろよ!」
ーープップー
ーープー……
車のクラクションに…
通りすがりの人たちの責めに…
横断歩道の真ん中で私を呼ぶみのるの声に…
私は…
どうすることもできなかった。
…どうしろと言うのよ?
歩道の信号が青になると、すぐさま私はみのるの所へ駆け寄り、
「ともちゃんっ!」
みのるの手をひき、その場から逃げた。
無我夢中で走った。
もう…
なんてクリスマスなの!?
本当に、泣きたい…
「う……」
「うわーーん!」
「…!?」