靴下の中に君
みのるの耳を引っ張り、ケーキ売り場から離れた。
「恥ずかしいことしないでよ!」
「だって本当にもう割り引いてもいい時間じゃん?」
「そう…かもしれないけど!店員さん困ってたじゃない!」
「僕はともちゃんのために……ぶぅー」
みのるは口を尖らせた。
「…ありがと。気持ちは嬉しいから」
「ほんと!?」
「ほんとほんと。…それにしてもあんた、スーパーは知らないくせになんで値切ることは知ってんの?」
「…なんでだろ?俺にもわかんね!」
「……………」
…あきれてものも言えんわ。
数分後、ケーキはめでたく半額になり、買って帰った。
「ただいまー!!」
「ただいまって…なんであんたが先に入るのよ!」
どこまで厚かましいんだか…
と思っていたら…
みのるは素早くヒーターをつけ、冷えた部屋をあたためてくれた。
私の…ために…?