靴下の中に君

「ううん、ここにいる!」


「私のことは気にしないで…」


「やだ!いる!」


「…頑固だねぇ。じゃあ好きにしなさい…」


「やったぁー!」




熱にうなりながら、無邪気に笑うこいつを見て、なんだかほっとしている自分がいた…。




「あんた一体誰なのよー…」


「僕は、みのる!」


「だから名前じゃなくてー…」






それから、私はぐっすり眠った。






久しぶりに、とても良い睡眠だったと思う。



朝目が覚めて、とても穏やかだった。




「んー…気持ちい」




体も軽く、もう熱も下がったみたい。




だけど…




何か足りなかった。





「………あっ、お騒がせボーイだ」



そう。


きのう散々振り回してくれたみのるの姿が見あたらなかった。




「みのるー?」





きのうと打って変わって、家の中はシ~ンとしている。



奇妙なくらい…



「……………」





ーーリリリリリ!!




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