靴下の中に君
「うわぁっ…で、電話か、びっくりした…。はいもしもし」
『おはようございます、鮫島です』
「ぶっ部長!おは、おはようございますっ、あの、きのうはどうもすみませんでした!!」
『仕方ないわよ、40度の高熱じゃ。大丈夫?』
「へ?」
きのう私は寝過ごして無断欠勤という形になり、あんなに怒っていた部長が私の体を心配している…。
しかも熱が出たのは夜のことだし…
どうして知ってるの!?
『…ちょっと、聞いてる!?』
「あ、はいっもう大丈夫です!すっかりきっかりばっちり元気ですっ!ははははは…」
『…本当に?やけにテンション高くてあなたらしくないわ。いいわいいわ、もう1日休みなさい』
「えっでも…」
『いいから!じゃおやすみー』
「ぶ…ちょー……」
ーーツー、ツー、ツー…
ま…いっか。
病み上がりは本当だし…。
部長のけたたましい声の電話を切り…再びシ~ンとなった。