靴下の中に君
「そうだよ。ははは、ともちゃんマジになっておもしろーい!」
「…んもぉ、あったまきた!」
私は笑い飛ばしているみのるを押し倒し、またボコボコたたいた。
「ごっごめん、ともちゃんっ、許して!?」
「はぁ、はぁ、疲れたから…許してやるわよ!」
起き上がったみのるは、性懲りもなくまだ右手で何か握ったようにしている。
バカにしてるの!?
「これ、うちに代々続く指輪なんだ。ごめんね。並みの人間には見えないんだ。ともちゃんは普通だよ!」
「そう…なの…。そんな大事なもん、なくすんじゃないわよ!」
「はーい、気をつけまーす!」
どうして…
「…どうしたらあんたみたいに素直になれるの?」
「え?どうしたらって…、わかんね!」
「うそ!何か心がけ努力とかしてんじゃないの!?」
「何もしてないよー。そのまんまだよ」
「そのまんま…」
「そう!」
「いいね、みのるのそのままは元気で明るくて……私のそのままって…、こんなだよ」