靴下の中に君
みのる

靴下…に入っていたこの男は、ベッドから転げ落ちた。




「いってぇ…」


「…バカじゃないの」




男は私に手をのばしてきた。




「た…たすけて?」



すがるような目で私を見ている。





…ちょっとかわいい……かも。





「…自分で脱げばいいじゃない」


「ぬーがーせーてーよぉ」


「…警察」


「ああっわかったから!電話やめて」




男は慌てて全身覆っていた靴下を脱ぎだした。



…きつそ。




「う~…よいしょっと。はーっ」


「うっ…そぉ!?」



脱いだ靴下は、普通の足のサイズだった。


確かにゆうべ、私が脱いで枕元にぶらさげた靴下だ…。




「こんな…小さいのによく入ってたね…」


「へへへー、すごいでしょー」


「すごい…っていうか…」





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