隣の部屋の新人くん
「はい」
少しの間。
「すみません、坂口です」
声の主は、意外な人物だった。
金曜の夜は、大抵飲み会が入ってるはずだ。
「どうしたの」
小さくドアを開けると、仕事終わりの坂口くんが立っていた。
「飲み会だったんですけど、会いたくなって」
そう言う顔は、たしかに少し赤い。
ほのかに香るアルコールの匂い。
坂口くんはドアの内側に入ると、力強く私の手を引いた。
「よく分かんないんですけど、無性に会いたくなって」
坂口くんの腕の中に強く引き込まれる。
「好きです」
耳元に響く声。
「俺、馬鹿だから、他に何て言うのか知らないんですけど」
そう笑った息が耳にかかる。
「好きです」
少し私を抱きしめる腕の力が優しく緩んだ気がした。
「うん、ありがとう」
私は坂口くんの腕をほどく。
やっと坂口くんの顔を見上げる。
「岡本さんは俺のこと好きですか」
「え?」
唐突に聞かれて、つい動揺してしまった。
「・・・逆に好きじゃないんですか?」
坂口くんの解かれた手が私の腰で止まってる。
「いいから上がりなよ」
私は照れて質問を流した。
少しの間。
「すみません、坂口です」
声の主は、意外な人物だった。
金曜の夜は、大抵飲み会が入ってるはずだ。
「どうしたの」
小さくドアを開けると、仕事終わりの坂口くんが立っていた。
「飲み会だったんですけど、会いたくなって」
そう言う顔は、たしかに少し赤い。
ほのかに香るアルコールの匂い。
坂口くんはドアの内側に入ると、力強く私の手を引いた。
「よく分かんないんですけど、無性に会いたくなって」
坂口くんの腕の中に強く引き込まれる。
「好きです」
耳元に響く声。
「俺、馬鹿だから、他に何て言うのか知らないんですけど」
そう笑った息が耳にかかる。
「好きです」
少し私を抱きしめる腕の力が優しく緩んだ気がした。
「うん、ありがとう」
私は坂口くんの腕をほどく。
やっと坂口くんの顔を見上げる。
「岡本さんは俺のこと好きですか」
「え?」
唐突に聞かれて、つい動揺してしまった。
「・・・逆に好きじゃないんですか?」
坂口くんの解かれた手が私の腰で止まってる。
「いいから上がりなよ」
私は照れて質問を流した。