隣の部屋の新人くん
四月一日
四月一日。
昨日は年度末でバタバタしたのに、今日は年度初めでまたバタバタする。
全てのファイルを入れ替えたり、机の引っ越しがあったり、そして今日は新入社員の案内役という大仕事がある。
人事部採用係。
人事部はもう七年目、採用係をやり始めて四年目。
大体は慣れてきたものの、やっぱりこの日は慌ただしい。
総務から内線が来る。
「内定者の方たちが揃いました」
「はーい、向かいます」
私は受話器を置くと、急いで内階段で一つ下のフロアに走って向かう。
採用係で電話でのやり取りはあったものの、内定者と実際に顔を合わせたことは少ない。
案内とかやってる場合じゃないんだよ、こっちは。
そう思いつつも、頭の片隅で緊張と高揚感が入り混じる。
新入社員たちがいる打合せ室のドアを開ける前に少しだけ身なりを整えた。
笑顔も忘れずに。
よし。
ゆっくりドアを開く。
と、一斉に五人が私の方をバッと見る。
それぞれ緊張した顔立ちで立ち上がり、「おはようございます!」と各々が笑顔を作って挨拶をしてくれる。
重役になった気分。
初々しいなあ。
「おはようございまーす」
私は緊張をほぐすように、なるべく穏やかな口調で言う。
新入社員からしたら七年目なんて大先輩だ。
ふと、その中の右から二番目の男の子と少し目が合う。
少し整った顔立ち。
気合い入れてきました、というスーツに爽やかなヘアスタイル。
見入る前にすぐ目をそらした。
「何度か電話連絡もさせて頂いたこともあるので、初めまして、ではないんですが、実際会うのは初めての方もいますので、えー、初めまして、人事部の岡本あかねです。これから社内案内させていただきますので、よろしくお願いします」
私は軽く挨拶をして頭を下げる。
そしてサクッと起こす。
と、右から二番目の彼が驚いた目をこちらに向けている。
昨日は年度末でバタバタしたのに、今日は年度初めでまたバタバタする。
全てのファイルを入れ替えたり、机の引っ越しがあったり、そして今日は新入社員の案内役という大仕事がある。
人事部採用係。
人事部はもう七年目、採用係をやり始めて四年目。
大体は慣れてきたものの、やっぱりこの日は慌ただしい。
総務から内線が来る。
「内定者の方たちが揃いました」
「はーい、向かいます」
私は受話器を置くと、急いで内階段で一つ下のフロアに走って向かう。
採用係で電話でのやり取りはあったものの、内定者と実際に顔を合わせたことは少ない。
案内とかやってる場合じゃないんだよ、こっちは。
そう思いつつも、頭の片隅で緊張と高揚感が入り混じる。
新入社員たちがいる打合せ室のドアを開ける前に少しだけ身なりを整えた。
笑顔も忘れずに。
よし。
ゆっくりドアを開く。
と、一斉に五人が私の方をバッと見る。
それぞれ緊張した顔立ちで立ち上がり、「おはようございます!」と各々が笑顔を作って挨拶をしてくれる。
重役になった気分。
初々しいなあ。
「おはようございまーす」
私は緊張をほぐすように、なるべく穏やかな口調で言う。
新入社員からしたら七年目なんて大先輩だ。
ふと、その中の右から二番目の男の子と少し目が合う。
少し整った顔立ち。
気合い入れてきました、というスーツに爽やかなヘアスタイル。
見入る前にすぐ目をそらした。
「何度か電話連絡もさせて頂いたこともあるので、初めまして、ではないんですが、実際会うのは初めての方もいますので、えー、初めまして、人事部の岡本あかねです。これから社内案内させていただきますので、よろしくお願いします」
私は軽く挨拶をして頭を下げる。
そしてサクッと起こす。
と、右から二番目の彼が驚いた目をこちらに向けている。