隣の部屋の新人くん
職場からすぐ近くのいつもの居酒屋。
新入社員の歓迎会が開かれていた。

程よく酔っ払った人たち。

私は同期や先輩たちとなんてことない会話をしていた。
採用係は原則最後まで参加する決まりになっている。

突然営業部の課長から「岡本さん、岡本さん」と呼ばれる。

「なんですか?」

そのテーブルに行くと、課長の隣に坂口くんがいた。

バッチリ目が合う。

相当飲まされたのか、目まで真っ赤だ。

「いや、コイツが『岡本さんかわいい岡本さんかわいい』って言うから」

課長がデレデレになって言う。

「課長、やめてくださいよ」

真っ赤な坂口くんが課長を止める。

この課長、私がいつまでも独身だからって何かとくっつけさせたがる。
恋人の存在を伝えても、信じてもらえたことがない。
モテない女だと思ってるんだ。
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