隣の部屋の新人くん
「ごめんねー、大丈夫だよ、適当に答えておけば」
私は坂口くんに目を向ける。
また目が合った。
「ん?」
「すごい偶然ですよね」
言わんとしてることは分かる。
「ね、ビックリした」
私が坂口くんの隣に座りかけた時、課長が「じゃあ、おじさんは抜けまーす」とビールの瓶を持って立ち上がる。
相当酔ってるようだ。
六人が座れるテーブルにたった二人。
賑やかな周りとは違って、まるで壁があるかのように静かだ。
「人事部の岡本さんって岡本さんだったんですね」
「どういうこと?」
「俺、電話で人事部の岡本さん、すごく可愛いイメージ持ってたんですよね」
「え?」
「三年目くらいの方だと思ってました。もう七年目なんですね」
真っ赤な目が私を見る。
「可愛いイメージ持ってた」って過去形なんだけど。
しかも「もう七年目」って。
たしかに、もう若手ではない。
「今日見た時、『わー人事部岡本さんだー』って思いと、『この人、隣の岡本さん?』っていうので混乱しました」
「私もだよ」
引っ越し挨拶を思い出す。
そして同時に「全然違ってたし」と声がハモった。
私は坂口くんに目を向ける。
また目が合った。
「ん?」
「すごい偶然ですよね」
言わんとしてることは分かる。
「ね、ビックリした」
私が坂口くんの隣に座りかけた時、課長が「じゃあ、おじさんは抜けまーす」とビールの瓶を持って立ち上がる。
相当酔ってるようだ。
六人が座れるテーブルにたった二人。
賑やかな周りとは違って、まるで壁があるかのように静かだ。
「人事部の岡本さんって岡本さんだったんですね」
「どういうこと?」
「俺、電話で人事部の岡本さん、すごく可愛いイメージ持ってたんですよね」
「え?」
「三年目くらいの方だと思ってました。もう七年目なんですね」
真っ赤な目が私を見る。
「可愛いイメージ持ってた」って過去形なんだけど。
しかも「もう七年目」って。
たしかに、もう若手ではない。
「今日見た時、『わー人事部岡本さんだー』って思いと、『この人、隣の岡本さん?』っていうので混乱しました」
「私もだよ」
引っ越し挨拶を思い出す。
そして同時に「全然違ってたし」と声がハモった。