サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
「きょ、恭介、どうしたの? 何かあった?」
詩織をさっきよりもっと強く抱きしめる。
「俺、早く大人になりたい」
「恭介、そんなに急いで大人にならなくていいよ。何を焦っているの?」
「詩織に置いて行かれちゃう気がして。俺、余裕ない」
俺は震えていた。
それは寒さからなのか、心に不安を抱えているからなのか。
「私、置いてかないよ。恭介と一緒にいるよ」
俺は焦っている。
確証はないけど、さっきの電話の相手は優斗先輩だったんじゃないかって。