サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

「恭介・・・・、私のこと、見て」

詩織は俺の頬を両手で挟み、俺の目をじっと見つめてきた。

俺の顔が詩織の両手で固定されて、詩織から逃げられない。

「恭介が不安な気持ちになるの、相手が私だから?」

俺は視線を詩織から外した。

「じゃ、私が恭介の前からいなくなれば悩まなくて済むの?」

俺がそんな言葉を求めていないのなんて、分かってるだろ。

「違う。そうじゃない」

「私だって不安だよ。でも、恭介と一緒に大人になって行きたいの」

詩織にこんなこと言わせてるようじゃ、ダメだな俺。
< 146 / 347 >

この作品をシェア

pagetop