サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
「詩織、こっち座って」
優斗くんは椅子をポンポンと叩いて、座るように促してきた。
そこに座ると、私と向かい合わせになるように優斗くんも椅子に座る。
「詩織、話したくなかったら無理には聞かないから」
私が泣いていた理由なんて、優斗くんには絶対に話せない。
他の人から見たらあんなことで喧嘩になるなんて、笑われちゃう。
これは私と恭介の問題。
「ありがとう、優斗くん」
それ以上優斗くんは泣いていたことには触れず、別の話題を出してくれた。