サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

「そんなのおかしいです。私、ずっと恭介先輩を見てきたから分かるんです。いつも練習中にスタンドを探してる。誰かを探してる」

うわ、コイツ本当に俺のこと見てんじゃん。怖っ。

「彼女はさ、練習は観に来ないけど練習が終わるのをずっと待っててくれる人なの。寒い中ずっと俺を待っていてくれて、風邪ひいちゃうような人なの」

「そ、そんなの嘘です」

「んー、嘘じゃなくて。彼女のこと、俺が惚れてるんだよ。どうしようもなくね」

その子はそれを聞いて、顔を歪めた。


俺は詩織以外の子に優しくはできない。傷つけたとしても。

「話はそれだけ? 昼休み終わっちゃうから行くわ」

俺、かっこよくね? 今の俺、詩織に見せてぇー
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