サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

そんな会話をしていると、お母さんがやってきて、

「詩織、お母さんに紹介してくれないの?」

「えっと、佐伯恭介くんです。サッカー部でね、もうすぐ全国大会に出場するんだよ、凄い人なんだよ」

「あら、そんなに凄い人が詩織のお見舞いに来てくれたの? 忙しいでしょうに、どうもありがとう」

「で、他には? もう少し恭介くんのこと教えてよ」

お母さんが興味津々で聞いてくるから、ますます顔が熱くなって。

「それだけだよ、もうお母さんあっちに行ってて」

「照れなくてもいいじゃない。もう色々恭介くんから聞いちゃったのよ。ふふふっ。邪魔者は退散するけど、恭介くん、詩織の風邪がうつるといけないから、あまりくっつかないようにね」

「おっ、お母さん!」

そう言い残してお母さんはリビングへ戻って行った。

「恭介、ごめん。変な母親でしょ?」

「楽しいお母さんだな。俺、毎日お母さんに会いに来てもいいぞ」

「もう! 何言ってんのよ」

恭介はクスクス笑ってるし。
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