サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
家に帰った俺は、明日着るユニフォームを壁に掛けて、それを眺めていた。
あっという間の3年間だったな。本当に色々なことがあった。
やり切ったという思いと、一つの心残り。
『詩織』
俺はどうしようもなく詩織が好きだ。
付き合っていたあの頃より、今の方がずっと。
やっと普通に話せるようになって、笑い合えるようになったってのに。
そんな風に詩織を笑顔にしたのは恭介で。
恭介といるときの詩織はいつも笑っていて。
その笑顔を見るたびに、どう表現していいか分からない気持ちが俺を苦しめる。
どうしたら詩織を忘れられる?
会わなければ、顔さえ見なければ、忘れられるのか?
俺はどうしたら、いい。