サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
土曜日になり、午前練習が終わると俺は急いで家に戻り、支度をして詩織のアパートへと向かった。
昨日の夜、詩織に電話して今日の詩織のスケジュールは聞き出してある。
夜7時にバイトが終わって、その後は何も予定がないから7時過ぎにはアパートに戻っているって。
俺は花屋で小さなひまわりを数本束ねてブーケにしてもらい、詩織の部屋を訪ねた。
合鍵で詩織の部屋に入るのはまだ慣れないんだよな。緊張する。
一応インターホンを鳴らして留守なのを確認してから部屋に入る。
今日は遊びに来るって言ってないからな。
もし詩織が部屋にいたとして、急にドアの鍵が開いたらびっくりさせてしまうだろ。
だから、インターホンを押したんだ。うん、それだけだ。
俺の知らない男がいたらどうしようなんて、これっぽっちも考えてないぞ。