サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
大学生になってすぐの頃は毎週末地元に帰って来ていた詩織も、こっちでの生活に慣れてサークルとバイトが忙しくなると頻繁には帰って来なくなったし、俺もサッカーの練習試合が週末に組まれることが多くて詩織のアパートにもなかなか遊びに来れていなかった。
今日は運よく午前練習で終わり、明日はレストだから今夜は絶対に詩織と過ごすんだ。
できるなら朝まで寝ないんだ。
そんなことを考えて一人ソワソワしていると、玄関の鍵を開ける音がして、
「あれ? 電気が点いてる。あっ! 恭介の靴だ! えっ? えっ?」
「じゃーん、し、お、りっ! 遊びに来ちゃった」
「恭介っ! どうして? 本当に恭介?」
詩織が目をまん丸くして驚いてる。
「来ちゃだめだった?」
「ばか! そんなことないに決まってるでしょ。嬉しい! 会えるなんて思っていなかったからすごく嬉しい」
そう言って詩織は俺に飛びついてきた。
うわー俺、すっげー幸せなんだけど。
俺が来ただけでこんなに喜んでくれるなんて、涙が出る程嬉しいんだけど。