サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
私のことを充電してるって言いながら私の髪を指先に巻き絡めている恭介。
なんだかくすぐったい。
私は恭介と付き合い出してお昼を一緒に食べている時のことを思い出していた。
恭介はいつも「眠いー」って言っては私の肩に頭を乗せてもたれ掛かっていたね。
その時、私は時々恭介の髪をドキドキしながらすくっていたよね。
「ね、詩織。付き合ってからお弁当を一緒に食べるようになった頃に詩織がさ、俺の髪を触ってくれてたことあったでしょ。覚えてる?」
「凄い、私も今同じことを思い出してたんだよ」
「あれ気付かない振りしてたけど、嬉しかったんだ」
「恭介、あの時気付いていたの?」
「そりゃ分かるよ。でも何も言わなかった。言ったら詩織は絶対にその手を俺から離してしまうと思ってたから」
「うん、あの頃だったらそうだったかも。まだ幼かったもんね、私たち」
「ははっ、幼かったって言うけどさ、俺まだあの頃の詩織の年齢なんだけど。俺、幼いか?」
「ううん、恭介は私なんかよりもずっとずっとしっかりしているから、幼くないね」
「だろ! 俺、大人だよな。ちゃんと将来のことも考えてるんだぞ、これでも」
「そうなんだ。恭介の描く将来を教えてよ」