サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
「そうそう、思い出した。恭介はさ、ここの部屋を紹介してくれた不動産屋さんのこと覚えてる?」
「不動産屋? うん、覚えてる。あの人、俺たちが同棲すると思って凄く羨ましがってた。ずっといいなーって言ってたよな。面白い人だった。俺、あの人のこと好きだったな」
「私ね、恭介はその人と気が合うと思っていたの」
「ん? なんで急に不動産屋の話なんだよ」
「サークルの紹介したい人はね、あの時の不動産屋さんなんだよ」
「はぁ? だって不動産屋で働いている人だろ」
「それがね、不動産の仕事はアルバイトだったんだって。サークルの勧誘の時に再会したんだけど、恭介のことも覚えていたよ」
「へー。あの人だったのか。会って話を聞きたい。今度会わせてよ」
「名前は吉野大地さんていうの。今度都合付けてもらうね」
「おう。楽しみにしてる」
この夜は結局恭介が先に眠りに落ちて、私はその寝顔をずっと見ていた。
とても幸せな時間だった。