サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ これからの4年間 -詩織-
恭介のサッカー部は県大会決勝まで進み、決勝戦では久しぶりに那美と合流して後輩たちを応援した。
その応援席には以前恭介に告白した子もいて、イヤな顔をされたけど私は気にせずに恭介の名前を叫んで、恭介を応援したんだ。
恭介のサッカー部は県大会決勝までは順調に危なげなく勝ち進んで来たけど、全国への切符を手にすることはできなかった。
いつかの優斗くんたちと同じように敗退が決まった瞬間、恭介たちはその場に倒れ込み、みんな燃え尽きていた。
「那美ぃ、恭介負けちゃった。全国へ行けなかったよぉ」
私は那美に寄りかかって嗚咽していた。
「詩織、恭介くんたちは頑張ったよ。ちゃんと最後まで応援できて良かったよね」
「そうだね、みんな頑張ったよね。感動したよ、私」
私と那美は席を立って、いつまでもいつまでも恭介たちに拍手を送った。