サッカー部のイケメン二人の間で揺れて

「さて、と。詩織、今日は応援どうもありがとう。全国へは行けなかったけど、俺、悔しさよりも達成感の方が大きいんだ」

「そっか。キャプテンとして一年間本当にお疲れ様でした!」

私たちは頼んでいたジンジャーエールで乾杯して、恭介の活躍を労った。

「ここのお店ね、ステーキが絶品なの。今夜は私にご馳走させて。恭介の決勝お疲れ様と受験頑張っての決起会ね」

「ありがとう、詩織。いつも詩織にばかり負担掛けさせちゃって、ごめんな」

「ううん。恭介の方がいつも遠くまで会いに来てくれて、お金も体も負担が多かったでしょ。私こそ、いつもありがとう、恭介」

「ね、ご飯が来るまでそっちに行っていい?」

恭介はそう言いながら正面の席から私の隣に移動して、無言で私にくっついてくる。

こんなに私に懐いてくれている恭介があと数か月したら北海道に行ってしまう。

私、恭介と離れてしまっても大丈夫なの?

頭の中でまだ処理できないでいるこの問題を、どう恭介に伝えよう。

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