サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ 詩織はどうする -詩織-
私は恭介のお荷物になるんじゃないか。
いや、そんなことない。
あんなに私のことを好きでいてくれる恭介だもん。
私が重荷になるなんてこと、ない。
頭の中でこの対極の気持ちがぐるぐると回っていて、何も答えが出せないでいる。
『たった4年。これからの何十年のためのたった4年』
自分で言った言葉を思い返していた。
そんなの嘘。 4年が短いなんて、嘘。
恭介のいない4年間を私は耐えられる?
恭介は私がここで待っているって言ったら4年後に私の元へ帰って来てくれるの?
4年後、私は大学を卒業してどこかに就職しているんだよ。
恭介は海外を経験して、私なんかよりもたくさんの事を経験して吸収するの。
この場所に止まったままの私と4年後に釣り合うとも思えない。
でも。
恭介が大学を卒業するまで待っていたいとも思うの。
私は何日も考えたよ。
私たちが進む道を間違えないように。
その4年はたったの4年ではない。長い長い4年。