サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
私たちは夕食を食べながら、今まで私たちに起こったできごとの話で盛り上がった。
最初に自転車で私を学校まで連れて行ってくれた時の話。
私がスマホのアドレスをあげた時の話。
焼き肉デートで初めて名前で呼び合った時の話。
初めてキスをした時の話。
初めて喧嘩をした時の話。
私の高校卒業式の日の話。
このアパートで過ごした沢山の日々の話。
どの出来事も忘れられない大切な思い出になっていた。
そんな話をしていたらあっという間に遅い時間になってしまって。
「恭介は寝室のベッドを使ってね。私はこっちのソファーにいるから」
「そんなの悪いよ。いいじゃん、いつも通りで」
「明日は大切な試験でしょ。恭介はもう休まなきゃ。ね、私はもう少し起きてるし。おやすみなさい」
「ん、わかったよ。おやすみ、詩織」