サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
俺は泣くのをこらえて自分の荷物をカバンに詰め込んだ。
たった一つのカバンに収まってしまう荷物。
思ったよりも俺の荷物は少なかったんだな。
そして、テーブルの上に一行だけ記した手紙を置いた。
【 詩織、今までありがとう 】
俺は最後の自分の荷物を手に取り、それを掴んだまま息ができないくらい泣いた。
我慢していた涙が溢れて止まらないんだ。
俺の取ったその荷物の先には、そこには相方を無くしたピンク色の歯ブラシが淋しそうに1本だけコップにもたれ掛かっていた。