サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
君島先輩に連絡をしようかどうしようか悩んだこと数日。
朝練の無い日はあのバス停の時刻に合わせて自転車を走らせるのが日課になっていたから、その日もバス停の脇を通った。
バスはまだ来ていないようで、数人がバスを待っている。
その中に君島先輩がいないか遠くから探す。
いたいた。今日は乗り遅れなくて済みそうだな。
バスを待つ列の脇をすり抜けようとした時、
「あっ、佐伯くん! 待って!」
君島先輩は列の前の方に並んでいたのに、俺に声を掛けてその列から離脱した。