サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
大学3年生になった頃、久しぶりに吉野さんが恭介の状況を教えてくれた。
この1年間、私に遠慮してなのか恭介の話題は出さないようにしていた吉野さん。
「恭介くんね、俺と同じアフリカの国に行くことが決まったらしいよ。あそこは本当に何もないところで、子供たちが学校へも行けないような地域でさ。でも俺もそうだったけど日本の支援団体と一緒に活動するから心配はないよ。そこには日本の医師も駐在しているし」
そっか、いよいよ恭介も海外に飛び出すんだね。
どうか恭介が病気やケガをしないで無事に過ごせますように。
自分でもびっくりしたけど、恭介の話を久しぶりに聞いても私の気持ちは落ち着いていた。
時間が恭介を素敵な思い出に変えてくれた。そう思えた。