サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
第三部 最終話-詩織が選んだ人-
◎ サッカーとの出会い -優斗-
俺の地元にはJリーグのチームがある。
俺は小学生の時からその地元のチームのジュニアコースでサッカーを教わった。
Jリーグで活躍してから引退した一流のプレーヤーがコーチとなりサッカーを教えてくれる。
最高の環境で育った。
中学生になると学校の部活かジュニアユースかの選択をしなければならない。
俺は迷わずジュニアユースを選び、U-15の選手になったこともある。
中学では、サッカーが上手いのに学校の部活に入らず外部チームに所属している俺を面白く思わないヤツらが何人もいて。
表面上は仲良くしていたけれど、心から信頼できる友達はできなかった。
そんな中学生の時に感じていた孤独が耐えられなかった。
俺はサッカーだけがやりたかった訳じゃない。
高校ではクラブユースに進まず、県内のサッカー強豪校への進学を選択した。
そこに集まったヤツらは本当に最高のメンバーだった。
俺の選択は間違えていなかった。
この高校のメンバーで全国へ行き、優勝を目指したかった。
それだけだった。