サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
◎ 詩織への告白 -優斗-
そんな出来事があったけど、詩織とはそれっきり接点もなくクラスで話すこともなかった。
それから数か月たった時、席替えで詩織と隣の席になった。
詩織が俺の隣にいるってだけで緊張して、ますます机に突っ伏して寝ることが多くなった。
俺の左半分が緊張する。
詩織が、
「椎名くんっていつも寝てるよね。毎日お疲れ様なの?」
そう話し掛けてきた。
詩織は俺のこと、全然興味がないんだな。
サッカーやってることとか、その中でもトップチームにいることとか。
そんな詩織にガッカリして。
もう少し俺のこと見てくれてもいいんじゃないかって。
俺に興味を持ってくれたっていいんじゃないかって。
「俺、サッカー部でさ。毎日練習が大変なの。だから寝ているときは話掛けんなよ」
つい、キツい言い方で返事をしてしまった。