サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
あとは、詩織に謝らなければいけない事。
「俺さ、詩織と別れてからずっと考えてた。何がいけなかったのか。どうして詩織は俺から離れたのか。あの時は本当にごめん。詩織の気持ちも確かめないで、俺の気持ちばかり押し付けてた。俺、考えが幼かった」
詩織は首を振って俺の事を許してくれた。
そしてこれが一番詩織に言いたかったこと。
「詩織、卒業したら一緒に大阪に来てくれないか」
詩織は返事をくれなかった。
詩織から目の前にいる恭介の事が好き、と伝わってきた。
俺は詩織の背中を押した。恭介のところへ行け、と。
詩織が俺の元から去って恭介を追いかけて行った。
俺は泣いた。
詩織と別れたときにも泣かなかったのに、今は涙が止まらなかった。