サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
今年20歳になる駿也(シュンヤ)さんには特に可愛がってもらっている。
駿也さんはディフェンダーで、今はスタメンに入る人。
付き合っている彼女は大阪のテレビ局の女子アナらしい。
凄いな、本当に女子アナとかと付き合ったりするんだ。
なんか住んでる世界が違う。
テレビの中の世界を見ているようだった。
「優斗さ、お前って彼女いんの?」
駿也さんからの唐突な質問。
「いや、いないですけど」
「じゃさ、今度俺の彼女んとこの女子アナとの合コンに来る?」
「へっ? 合コンですか・・・」
「お前の事、気に入ってるって子がいるんだってよ」
「いや、俺はそう言うの、いいっす」
「なんでだよ、可愛い子いっぱい来るぞ」
「いや、無理っす。すみません」
「なんだよ、優斗。付き合い悪いなー。せっかくのイケメンなのに、遊ばないともったいないぞ」
「大丈夫ですから。他のヤツ誘ってください」
「そうかー。気が向いたら声掛けろよー」
なんて軽いノリの駿也さん。
嫌だな。俺もそのうちあんな風に染まってしまうのか?
俺はそんな誘いに流されないようにどうにか断り続け、サッカーだけに集中した。