サッカー部のイケメン二人の間で揺れて
焼肉店に着き、佐伯くんと向かい合って座ると、とりあえずのお肉を注文した。
「佐伯くん、改めまして、何時ぞやは自転車に乗せていただきありがとうございました」
なんて、畏まってみる。
「ハハッ、なにそれ? もうあれから何日も過ぎてるし、この焼き肉だってその時のお礼って言われても今更じゃないですか?」
「そうだよね。お礼が遅くなってしまってごめんね」
「いや、そういう意味じゃなくて。これはお礼の食事じゃなくて、デートってことにはなりません・・・か?」
デ、デートって。顔が熱い。変な汗が出てくる。
「えっと、これは。んーーっと・・・」
「いいんです。俺だけがデートだと思って楽しんでるんで、気にしないで下さい」
佐伯くんがあまりにもストレート過ぎて、返事に困るよ。
私とデートだなんて。彼女がいたら怒られるよね。